【図解あり】臨床工学技士とは?医療の現場を支える“機器のプロ”の仕事

Uncategorized

はじめに

医療ドラマなどで、医師や看護師が活躍する姿を見る機会は多いですが、「臨床工学技士(CE:Clinical Engineer)」という職種をご存じでしょうか?

名前すら聞いたことがないという方もいるかもしれません。しかし、臨床工学技士は現代医療に欠かせない“縁の下の力持ち”の存在です。

本記事では、臨床工学技士の役割や仕事内容、資格の取得方法、そして将来性までを図解とともに分かりやすくご紹介します。


臨床工学技士とは?

臨床工学技士とは、医療機器の操作・保守・点検を行う国家資格保有者であり、医師の指示のもとに、生命維持に関わる機器を安全に運用する専門職です。

📌図解:臨床工学技士の役割

         【医師】
      │ (指示)
      ▼
【臨床工学技士】──→ 医療機器の操作・管理(人工呼吸器・透析装置・ECMOなど)
      ▲
      │
     【患者】

臨床工学技士は、患者の命を支える機器の運用を担う「医療と工学の架け橋」と言えます。


どんな仕事をしているの?

臨床工学技士の業務は非常に幅広く、病院の規模や配属部署によって異なります。代表的な3つの業務を見てみましょう。

1. 人工呼吸器・モニターの管理(ME機器管理)

ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)では、人工呼吸器、生体情報モニター、除細動器などが使用されています。これらの機器が常に正常に作動するよう、点検やトラブル対応を行うのが臨床工学技士です。

2. 血液浄化(透析業務)

慢性腎不全の患者に対して週に数回実施される血液透析。臨床工学技士は透析装置の準備・操作・保守のほか、透析液の水質管理なども担当します。

3. 補助循環(人工心肺・ECMO)

心臓手術時に使われる「人工心肺装置」や、重症心肺不全患者に使用される「ECMO(体外式膜型人工肺)」など、命に直結する装置の操作を行います。

📌図解:臨床工学技士が関わる主な医療機器

[○] 人工呼吸器(肺を補助)  
[○] 血液透析装置(腎臓の代わり)
[○] ECMO(心肺機能の補助)
[○] ペースメーカー(心臓の電気制御)
[○] 除細動器(不整脈の治療)
[○] 高周波メス・レーザー機器(手術支援)

臨床工学技士になるには?

臨床工学技士になるには、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 指定の大学・専門学校で3〜4年間学ぶ
    (医療工学、電気工学、生理学などを学習)
  2. 臨床工学技士国家試験を受験・合格
  3. 厚生労働大臣に登録し、免許取得

現在、全国で約3万人以上の臨床工学技士が活躍しており、今後も需要は高まると予想されています。


やりがい・魅力は?

臨床工学技士のやりがいは、医療機器という“命を守る技術”を支えるという使命感にあります。

  • 医療チームの一員として働ける
  • 技術の進化とともに学びがある
  • 直接的に人の命を支えている実感がある

患者との接点が少ないと感じるかもしれませんが、患者の安全を裏側から支える「静かなヒーロー」として、多くの命に関わっています。


将来性は?AI時代でも活躍できる?

AIやロボティクスが発展しても、医療機器の運用・判断には高度な「人間の判断力」が求められます。特に以下の理由から、臨床工学技士の将来性は高いといえます。

  • 高齢化により透析患者やICUの需要増加
  • 新しい医療機器の導入が進む
  • 災害医療や在宅医療への展開も期待

臨床工学技士は、医療現場の変化に対応できる柔軟なエンジニア職でもあります。


まとめ

臨床工学技士は、医療機器のプロフェッショナルとして、患者の命を支える縁の下の力持ちです。医師や看護師とは異なるアプローチで、現代医療に深く関わるこの仕事は、これからの医療にますます重要な存在となっていくでしょう。

最後までずく出して読んでくれてありがとう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました